お客様の声と施工事例

2026.09.13

坂を上らずに、お参りできるように ── 共同墓地からお寺へ移した墓所

 上れるうちに、移しておきたい
 
 当社の従業員のご紹介で、お話をいただきました。
 
 お墓は、山あいの共同墓地にありました。車を停めてから、坂道を上っていく場所です。いまはまだ上れる。けれど、この先ずっと上れるとは限らない。上れなくなってからでは動かせないので、その前に移しておきたい。そういうご相談でした。
 
 お参りに行けなくなることを、心配しておられました。
名称未設定のデザイン (7)
名称未設定のデザイン (5)
 移した先は、更地からでした
 
 移転先は、檀那寺の境内です。本堂の側面にあたる一画。
 
 ただ、そこはそのままでは墓地として使えない土地でした。地面を均し、高さを出し、水の流れを見て、造成と整形から始める墓地でした。
 傷んだ竿石を、交換しました
 
 解体して運び出す段になって、竿石の傷みが分かりました。
 施主様は、はじめはそのままで構わないとお考えでした。長年見慣れた石です。石屋に言われるまで、気にしておられなかった。
 けれど、外柵も土台も新しくなり、墓所全体が整っていくなかで、竿石だけが傷んだまま残る。それを見て、交換しようと決められました。
 
 新しい竿石には、元の字を写して彫りました。
名称未設定のデザイン (6)
名称未設定のデザイン (4)
 お墓の並べる順は、家の代々を考慮してから決めました
 
 移すのは、石を運ぶことだけではありません。どの石を、どこに、どう並べるか。これを決めなければ、据えられません。
  
 この工事に入る前に、旧墓地に残る古い石を読ませていただきました。過去帳と突き合わせ、代のつながりを確かめたうえで、並べる順を決めています。
 
 形だけを見て決めれば、寸法の話にしかなりません。誰がそこにいるかが分かっていると、並べる順に意味が出ます。
 
 この経緯は、ブログ「古いお墓の文字を読む ── そこに生きていた人がいます」に書きました。ページ上部の「石や想いブログ」からご覧いただけます。
 
 元の墓地は、更地に戻しました
 
 共同墓地のほうは、解体・搬出のあと、更地に戻してお返ししました。
 
 移転は、新しい場所に建てて終わりではありません。元の場所を、次にお使いになる方のために整えるところまでが工事です。
 
 完成
 
 抜魂が昨年四月十九日。完工が五月二十日。開眼納骨は五月三十一日でした。
 
 坂を上らずに、お参りできるようになりました。
名称未設定のデザイン (3)
 ご相談ください
 
 お墓の移転をお考えでしたら、ご相談ください。
 移す先の造成から、元の場所の更地戻しまで、一貫してお引き受けしています。
 
 ページ上部の「お問い合わせ」から、またはお電話(0558-72-0492)でご連絡ください。
 
 設計担当 水谷隆一

2026.09.08

安全に上がりやすく、歩きやすく ── 石積みを残した傾斜墓地の改修

舟山地区では、十年以上前から石の仕事をお世話になってきました。祠の台座を直したり、神社の鳥居を建てたり。そうしたご縁で、お墓のご相談をいただきました。
墓所は山の斜面にあります。石を積んで土を留め、その上に平場を作って、お墓が建っている。
伊豆ではよく見る形です。
梅原家ビフォー正面加工
梅原家ビフォー加工
この石積みを見て、まず申し上げたことがあります。ここは壊せません。
古い石積みですから、直したくなる方は多いと思います。けれど傾斜地では、この石積みが区画そのものです。土を留めているのはこの石であって、外してしまえば上の平場が崩れます。壊せないというより、壊す必要がない。触れずに残すのが正しい。
問題は、その上でした。
石塔は苔と汚れで石肌が見えなくなっていました。上段へ上がる石段は狭く、足元も不安定です。お参りに来られるたび、気を遣って上がっておられました。
古いお墓では、彫られた文字を読んで書き起こすことにしています。戒名、没年、俗名。読めない字は読めないまま印を付けて、代々がわかるようにWordにまとめています。
このお宅でも、旧墓二カ所を含めて書き出しました。古いものは元禄七年、いまから三百三十年ほど前になります。
石は割れることも、風化することもあります。読めるうちに写しておけば、文字は残ります。
図面は十案までお持ちしました。この墓所だけでなく、離れた場所にある旧墓二カ所を移して、一つにまとめる案も含めてのことです。
梅原家5 提案図 -65 15 0001
私としては、まとめてしまったほうがよいと考えておりました。管理する場所が一つになれば、この先が楽になります。
けれどご相談の結果、旧墓はそのままとし、この一区画を直すことになりました。
梅原家10 提案採択図 -65 15 0001
四月六日、着工。
石積みには手を付けず、上の平場を作り直しました。コンクリートを打ち、階段の踏み面を広く取っています。踏み石は元のものを使いました。長年この場所にあった石です。
外柵は新しくしました。石塔は建て替えていません。全面磨き直して据え直し、中台と水鉢は傷んでおりましたので、似た石種のもので交換しています。墓誌と香炉は新しくしました。
その他の石碑は、丁寧にクリーニングをして汚れを落としています。
傾斜地で難工事でしたが、四月二十九日、完成しました。
梅原家アフター正面加工
梅原家アフター加工2
石積みは、そのままです。上だけが変わりました。
平場が広くなり、階段も上がりやすくなりました。石塔の石肌も見違えるように戻っています。
施主様からは「よくやってくれました」「綺麗になりました」とお声をいただきました。
いま完成した姿を見ますと、旧墓を移さなかったのは、これでよかったと思います。
すっきりとして、お掃除のしやすいお墓になりました。
梅原家アフター加工
傾斜地のお墓は、上がりにくい、歩きにくいというお悩みが多いところです。
石積みを壊さずとも、上を直せば、お参りはずっと楽になります。
草取りが大変、足元が危ない、石段が上がりにくい。
どんなことでも、まずは一度ご相談ください。
現地を拝見して、図面にしてお持ちします。
株式会社 水谷石材
設計担当 水谷隆一
0558-72-0492

2026.09.08

更地にしなくても、お参りしやすく ── 段差と植栽をなくした墓所改修

四月五日、四十九日のご法要のあと、ご納骨のお手伝いをさせていただきました。
その席で、奥様がこう仰いました。「主人が、お墓のことを直したいと言っておりました」と。
後日、改めてお墓を直したいとご連絡をいただき、この工事は始まりました。
玉石を積んだ縁に植栽があり、その根元から草が伸びていました。足元は土と砂利で、雨のあとはぬかるみます。手前には段差があり、灯籠が二基。手入れが行き届かなくなっていた、というのが正直なところでした。
灯籠については、これはいらない、と施主様が仰いました。石ではなくコンクリート製でしたので、そのまま外すことにしました。
渡辺家ビフォー左前加工(2)
名称未設定のデザイン (3)
こうした墓所は、一度更地にして建て直すのが早いように思われるかもしれません。けれど石塔や芝台は使えます。土台の玉石積みも、設計により活かせます。使えるものは残して、段差と植栽をなくし、平らにする。それだけでお参りはずっと楽になります。
四月二十四日、図面を四案お持ちしました。
図面は、今あるお墓を写し取るところから始めます。現況図です。玉石の縁、砂利の敷かれた地面、段差、灯籠の位置。実際に測ったものを、そのまま図に起こします。
そのうえで、直したあとの姿を並べて描きます。現況と並べれば、どこがどう変わるのかが一目で分かります。「平らにする」という話は、言葉だけではなかなか伝わりません。
ご相談のうえ、この設計で進めることになりました。砂利をやめて石で覆い、段差をなくす。手前は乱張りの石畳、奥は磨いた平板。塔婆立も新しくします。
渡辺家現況改修対比図 (2)
五月十六日、お経をあげていただき、そのまま着工しました。
お骨は、工事の間お寺様がお預かりくださいました。
この工事の難しいところは、寸法が図面どおりには決まらないことです。
周りを囲っていた玉石積みは、前の部分だけを解体しました。後ろはそのまま残しています。玉石は一つひとつ形が違いますので、どこが切れ目になるかは、実際に石を外してみるまで分かりません。前を外し、基礎を打って、そこで初めて新しい外柵の寸法が決まります。
面倒なことですが、この玉石もお亡くなりになったご主人が集めてきてお墓に使われたと伺いましたので、その気持ちを形として残すことを選びました。
あらかじめ海外の工場で石を作り、運んでくるやり方では、この手順は踏めません。
現場で出た寸法に合わせ、こちらで石を刻みます。
設計も一箇所、現場で変えました。左右のお隣との間に高低差のある場所でしたので、入り口を階段にして納めています。中は平らに、入り口だけは段を切る。そのほうが上がりやすく、雨のときも安全です。
渡辺家工事中加工
渡辺家前通路
石塔は建て替えていません。全面磨き直しを施し据え直しました。
六月九日、通路を仕上げて完成。
渡辺家アフター加工
六月二十四日、開眼のお経をあげていただき、改めて納骨をお手伝いしました。
その日、施主様とご子息から「見違えた」「びっくりしました」とのお言葉をいただきました。
段差がなくなり、土と砂利だった足元は石になりました。草も生えなくなり、
「お参りの際のお掃除がとても楽になります」と、喜んでいただきました。
ご主人の建てたお墓の石は元のまま、お参りのしやすいお墓に生まれ変わりました。
渡辺家ビフォー左前加工
渡辺家アフター左前加工
更地にしなくても、お墓は直せます。
段差をなくす、植栽を石畳に替える、傷んだ部材だけを替える、石を磨き直す。手の入れ方はいくつもあります。
草取りが大変、足元が危ない、段差が上がりにくくなった。どんなことでも、まずは一度ご相談ください。現地を拝見して、図面にしてお持ちいたします。
株式会社 水谷石材 設計担当 水谷隆一
0558-72-0492

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