お客様の声と施工事例

2026.09.08

安全に上がりやすく、歩きやすく ── 石積みを残した傾斜墓地の改修

舟山地区では、十年以上前から石の仕事をお世話になってきました。祠の台座を直したり、神社の鳥居を建てたり。そうしたご縁で、お墓のご相談をいただきました。
墓所は山の斜面にあります。石を積んで土を留め、その上に平場を作って、お墓が建っている。
伊豆ではよく見る形です。
梅原家ビフォー正面加工
梅原家ビフォー加工
この石積みを見て、まず申し上げたことがあります。ここは壊せません。
古い石積みですから、直したくなる方は多いと思います。けれど傾斜地では、この石積みが区画そのものです。土を留めているのはこの石であって、外してしまえば上の平場が崩れます。壊せないというより、壊す必要がない。触れずに残すのが正しい。
問題は、その上でした。
石塔は苔と汚れで石肌が見えなくなっていました。上段へ上がる石段は狭く、足元も不安定です。お参りに来られるたび、気を遣って上がっておられました。
古いお墓では、彫られた文字を読んで書き起こすことにしています。戒名、没年、俗名。読めない字は読めないまま印を付けて、代々がわかるようにWordにまとめています。
このお宅でも、旧墓二カ所を含めて書き出しました。古いものは元禄七年、いまから三百三十年ほど前になります。
石は割れることも、風化することもあります。読めるうちに写しておけば、文字は残ります。
図面は十案までお持ちしました。この墓所だけでなく、離れた場所にある旧墓二カ所を移して、一つにまとめる案も含めてのことです。
梅原家5 提案図 -65 15 0001
私としては、まとめてしまったほうがよいと考えておりました。管理する場所が一つになれば、この先が楽になります。
けれどご相談の結果、旧墓はそのままとし、この一区画を直すことになりました。
梅原家10 提案採択図 -65 15 0001
四月六日、着工。
石積みには手を付けず、上の平場を作り直しました。コンクリートを打ち、階段の踏み面を広く取っています。踏み石は元のものを使いました。長年この場所にあった石です。
外柵は新しくしました。石塔は建て替えていません。全面磨き直して据え直し、中台と水鉢は傷んでおりましたので、似た石種のもので交換しています。墓誌と香炉は新しくしました。
その他の石碑は、丁寧にクリーニングをして汚れを落としています。
傾斜地で難工事でしたが、四月二十九日、完成しました。
梅原家アフター正面加工
梅原家アフター加工2
石積みは、そのままです。上だけが変わりました。
平場が広くなり、階段も上がりやすくなりました。石塔の石肌も見違えるように戻っています。
施主様からは「よくやってくれました」「綺麗になりました」とお声をいただきました。
いま完成した姿を見ますと、旧墓を移さなかったのは、これでよかったと思います。
すっきりとして、お掃除のしやすいお墓になりました。
梅原家アフター加工
傾斜地のお墓は、上がりにくい、歩きにくいというお悩みが多いところです。
石積みを壊さずとも、上を直せば、お参りはずっと楽になります。
草取りが大変、足元が危ない、石段が上がりにくい。
どんなことでも、まずは一度ご相談ください。
現地を拝見して、図面にしてお持ちします。
株式会社 水谷石材
設計担当 水谷隆一
0558-72-0492

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