水谷石材ブログ
2022年05月
2022.05.05
月刊水谷石材 2号 お墓の石はどこから?
第2号は、お墓になる前の石について紹介していきます。
お墓に使われている石は御影石なのは知ってるけど、その石はどこから来てるの?
どんな道筋をたどって、我が家のお墓になっているのだろうか?
そんな疑問に参考になればと良いなと思います。
墓石の流通事情を知り、我が家の墓石どこからきたのかな?と考えるきっかけにしてみてください。
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お墓に使われる御影石について
どこから来るかを紹介する前に、お墓の石の種類について紹介させていただきます。
墓石で、よく耳にされるのが御影石と呼ばれる石だと思います。
ですが御影石は石材名で、鉱石の種類としては花崗岩や花崗閃緑岩に分類されます。
元々は兵庫県の御影地方で採石された花崗岩に御影石と命名したことが始まりとされています。
その後は、花崗岩で細かい粒状の模様がある石を、御影石の石材名で流通させるようになりました。
今では、兵庫県の御影地方で採石された御影石は本御影として流通されています。
墓石で使われる石には、香川県の庵治石や神奈川県の小松石など国内で採掘される有名な石種がありますが
今回は御影石が花崗岩系の石で商品名という事を覚えておいてください
つまり 商品名:御影石 商標:〇〇 産地:〇〇 というイメージです。
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石はどこから来るの?
本題の お墓の石はどこから? ですが
中国から輸入してるんでしょ?と思われる方も居ると思います、実際に中国からも輸入しています。
ですが、お墓の石も中国・インド・アフリカなど世界各国から輸入され日本のお墓になっているんです。
中国でしょ?と思われる理由として、世界各国の石達が中国に輸入され加工された後に
日本でお墓として販売されている事が多いからではないかと思います。
もちろん、日本で採れた石を使ってお墓を作る事もあります。
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墓石の主な流通経路として
お墓の石は、採石場で掘り出され原石と呼ばれる状態に加工後、輸送されます
原石の輸送流通経路3パターンあり、各国の工場に運ばれた後お墓の形になっていきます。
①採石場から港へ運ばれ、日本に原石が船で運ばれ加工される
②採石場から現地工場へ原石が運ばれ、現地で製品に加工され、船にて日本へ輸出される
③採石場から港へ原石が運ばれ中国へ、中国工場にて原石を加工し、船にて日本に輸出される
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お墓の石は、日本の石屋さんが注文を受けてから加工が始まります。
お墓は、施主様の希望や石種の違いなど理由があり、事前の大量生産が向かない製品なんです。
また石は重量がある為、空輸が難しく陸路や海路が主な輸送経路となっています。
その為、お墓を建てる際はある程度の時間と期間が必要になります。
水谷石材では、工場に原石を確保する事で、自社工場でも加工も行えるようにしています。
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石が日本に来る前は?
各国の石の中からインドを例にして、お墓の石が日本に来る前を一部紹介したいと思います。
インドからは、クンナム・M10・M1H・アーバングレーなどの石が産出されます。
石の紹介は水谷石材のホームページでも紹介していますので、気になった方は覗いてみてください。
ページリンクはこちら/service/grave/
今回インドを選んだ理由は実際に訪問して、現地を見学させていただき写真が豊富なんです。
採石場の写真
採石場では、岩盤から石を切り出しお墓の元となる原石を掘りだしていきます。
この採石場を作るまでに、現地のエージェントや商社さんがインドの各地を巡り
お墓に使えそうな石はないか?傷や色むらはどうか?量はどれくらい出そうか?などを調査してくれています。
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掘り出された原石は、採石場の職人さんの手によってブロック状に加工されて、現地の工場や、日本・中国に向けて輸送されます。
写真の石に入っている溝は、石を割る為にセリ矢を入れる穴です。
現地の人達が3人がかりで、ドリルを支えながら穴をあけ、狙った大きさのブロックにしていきます。
石は自然の物なので、掘り進めると石の色や傷の出かたが変化してしまう事があります。
日本のお墓は、石ごとの色の違いや、傷、色むらが倦厭されるので、どの段階でも職人さんによる確認が必要になってきます。
採石場でも、現地のエージェントさんが定期的に採石場に足を運んで様子を確認してくれたり
商社さんが現地に赴き、実際に石の状態を確認しに行ったりを行っています。
何度か自分自身も同行させてもらいましたが、1日に何件も採石場や工場を巡って検品をしてくれていて
安心して、石を輸入できるなと思いました。
インドの工場写真
現地にも日本向けの石材加工工場があります。
インドの採石場から運ばれてきた原石を、そのままこの現地工場で加工しています。
職人さん達が、手作業で丁寧に石を切削から磨きまで行っており、日本のお墓を作ってくれています。
ここでも、石の目や色むらは厳しくチェックされて、日本人の見慣れたお墓になるように気を付けながら
石選びをしてくれています。
インドの黒御影加工はとても綺麗で、現地職人さんや商社さんも強くこだわってくれています。
ただやはりインドは遠い事もあり、インド加工の石を使う際は納期を長めにいただく事もあります。
インド工場で加工され、お墓の形になった石達は、輸出コンテナに積み込まれ貨物船で日本に輸出されます。
日本についた石達は、そこからトラックにて各石材店に運ばれ、検品された後に墓地で建込が行われ、お墓になっていくのです。
さいごに
今回は、お墓の石はどこから?をテーマに書かせていただきました。
お墓作りは一生に一度あるかどうか?ですがお寺・霊園・石材店との打ち合わせを行うのみで、
どこでどうやって出来ているのかわからないのが現状ではないか?このままでいいのかな?と考え
少しでも、お墓が出来るまでを知ってもらえたら良いなと思いながら書かせていただきました。
願望ではありますが、お墓も多様化が進む現代に、日本の日本らしいお墓を文化として捉えて。
この文化を大切に想ってくれる人が、自分のお墓は採石から輸送、切削、加工、建込をすべて知りたい
その上でお墓を建てるなんてドキュメンタリー映画みたいなお墓作りが出来たら素敵だななんて考えたりしています。
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